別府めんまはなぜ「地獄蒸し」で蒸すのか


別府ならではの自然の恵みを活かして作られる「別府めんま」。 今回は、別府めんまがなぜ水で煮るのではなく、地獄蒸しで蒸すのかという理由について、詳しくお伝えいたします。

一般的なめんま作りの製法について

幼竹(たけのこ)を収穫してめんまへ仕立てる際、採ったあとに水で煮るのが一般的な製法です。

しかし、私たちがつくる「別府めんま」は、高温の蒸気で蒸し上げます。 その際に使用するのが、別府独自の仕組みである「地獄蒸し」です。 温泉の湯気を使い、高温で一気に蒸し上げることが、べっぷめんまの最も大きな特徴となっています。

水で煮る場合と地獄蒸しで蒸す場合の違い

水で煮る製法と、地獄蒸しで蒸す製法にはどのような違いがあるのでしょうか。 結論から申し上げますと、アクの抜け方、そして旨みや甘みの残りやすさに違いが現れます。

それぞれの特徴を比較してみましょう。

水で煮る場合

水で煮ると、アクがお湯の中にすーっと出ていくため、アクが抜けやすいというメリットがあります。 一方で、旨みや甘みもお湯の中に流出してしまいます。これは普段の煮物などでもよく見られる現象です。 食感や風味については、しっとりと柔らかく仕上がりやすくなります。

高温の蒸気(地獄蒸し)で蒸す場合

高温の蒸気で蒸す場合、アクが水のように外へ逃げないため、アク自体は少し抜けにくい性質があります。 しかし、旨みや甘みも外に逃げないため、ぎゅっと内部に閉じ込められ、凝縮されやすいという大きなメリットが存在します。 香りが強く立ち、素材本来の味わいがしっかりと引き出されるのも特徴です。

地獄蒸しのメリットを最大限に活かす方法

アクが抜けにくいという点さえクリアできれば、高温の蒸気で蒸す製法には非常に多くのメリットがあります。 旨みが閉じ込められ、香りが引き立ち、素材本来の味を楽しめるためです。

アクの抜けにくさを解消するための方法は実にシンプルです。 それは、採れたてのたけのこを、アクが出る前の早め段階で蒸してあげることに尽きます。

別府めんまの仕込み時期である4月、5月、6月には、朝早くから作業を開始します。 収穫して処理を行ったあと、アクが出てくる前にすみやかに地獄蒸しの設備へ移動させます。 袋に入れて窯へセットし、温泉の蒸気で一気に蒸し上げるのです。

アクが出る前の迅速な処理によって、アクが抜けにくいというデメリットは解消されます。 その結果、凝縮された旨み、強い香り、そして素材本来の味わいだけがしっかりと残ります。

環境にも優しい持続可能なものづくり

地獄蒸しを採用する理由は、美味しさの追求だけではありません。

大量のめんまをお湯で茹でようとすると、膨大なガスや火力を消費します。 長時間お湯を沸かし続けることは、熱資源を多く消費することを意味します。

その点、地獄蒸しは別府の温泉から自然に湧き出ている蒸気を利用します。 温度を上げるために新たに火を焚く必要はなく、自然が持つエネルギーと力をそのまま活用して蒸し上げているのです。

成長が早く次々と生えてくるたけのこ(幼竹)を活用し、自然のエネルギーで調理して届ける。 別府めんまは、環境に余計な負荷をかけずに食卓へお届けできる、持続可能な食品でもあります。

おわりに

別府めんまは、時間との勝負の中でひとつひとつ丁寧に作られているため、どうしても生産できる数に限りがございます。 毎年できる限り多くの方へ届くよう準備をしておりますが、もしご興味を持っていただけましたら、ぜひお早めにオンラインショップなどを覗いてみてくださいね。

みなさまの食卓に、自然の恵みと豊かな味わいをお届けできますように。


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