日々の暮らしの中で、ふと目に入る山々の風景。青々と茂る竹林は美しくもありますが、手入れが届かず荒れてしまった「放置竹林」が各地で問題になっています。
今回は、放置竹林に対して行政がどのような支援を行っているのかについてお話しします。
分かりやすい例として大分県の取り組みをご紹介しますが、ほかの地域にお住まいの方も、ご自身の自治体で「放置竹林問題 (県名)」と検索してみると、同じような取り組みが見つかるかもしれません。行政が実際どのような支援を行っているのか、分かりやすく解説していきます。
大分県が推進する「有料竹林化・利活用推進事業」とは
現在、大分県では補助事業として「優良竹林化・利活用推進事業」という名称で助成金を交付する取り組みを進めています。
この事業は、放置された竹林をタケノコの発育や竹材、竹チップ、竹炭などに利活用できるようにすることを目的としています。適正な本数まで竹を減らし、作業がしやすい環境を整えるための伐採作業などに対して助成を行っていますので、該当する方にはぜひご活用いただきたい制度です。
詳しい内容については、関連ページに掲載されているPDFリンクなどでご確認いただけますが、ここでは要点を簡単にお伝えします。
通常、新年度の時期に「この場所の竹を切りたい」という申請を行います。大分県の場合、事業の形式は主に3つのタイプに分かれています。
- 竹を伐採し、片付けを行う事業
- 竹を伐採して片付け、さらに全体の半分以上を「チップ」と呼ばれる細かい木片状に加工する事業
- 伐採した竹をすべてチップに加工する事業
すべての竹をチップにするには専用の機械が必要になるため、個人で手軽に行うのは難しい側面もあります。しかし、ただ竹を切る作業だけであっても補助事業の対象になるというのは大きなポイントです。
補助金を受けるための要件と注意点
申請が採択されるかどうかは、タケノコや竹材の生産を目的とした「有料竹林化」に繋がるかどうかが基準となります。
「今年もタケノコを採りに行こう」と皆が足を踏み入れ、心地よく竹林整備の活動ができるような環境をつくることが大切な目的です。
対象となる竹林には、以下のような条件があります。
一箇所あたり0.1ヘクタール以上であること。 1ヘクタールあたり5,000本以上の竹を伐採すること。
1ヘクタールとは、1万平方メートル(100メートル四方)の広さです。その範囲から5,000本以上を伐採するとなると、かなりの作業量になります。
また、利用にあたってはいくつかの注意点があります。
まず、そのエリアの竹をすべて切ってしまう「全伐」は認められていません。あくまで今後もタケノコや竹材を生産・活用していくため、人が気兼ねなく入れて作業ができるよう、間隔を空けて間引く「間伐」を行うことが求められます。
さらに、この補助金は一度利用した同じ場所で再度申請することはできません。一度整備を行った場所は、その後も竹が繁殖しすぎないよう、ご自身でしっかり管理を続けていく必要があります。
金額面については個別の事情によって異なる繊細な話題となりますので、具体的な数字をここでお伝えすることは控えさせていただきます。大分県が発行している説明用のPDF資料に、目安となる補助金額が記載されていますので、そちらをご確認ください。
地域とともに育む、持続可能な竹林整備
土地を所有している個人の方であれば、専門の事業者へ作業を依頼する際の費用として活用できますし、事業者自身が主体となって取り組むケースもあります。相談窓口や問い合わせ先も案内されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
手続きの過程ではいくつかの段階を踏む必要がありますが、しっかりと取り組むことで、自分一人では大変な竹林整備を大きく進めることができます。本来であれば山道の整備や竹の伐採を自力で行うのは膨大な労力と費用がかかりますが、そのかなりの部分を行政が補助してくれるのは大きな助けになります。
「竹が生い茂っている山を所有していて、これから少しずつ整えていきたい。でも、竹がぎっしり詰まっていて手が出せない」とお悩みの方は、こうした制度を利用して業者に依頼したり、自力で整備を進めて費用の一部を補ったりするのも選択肢の一つです。
今回は大分県の事例を挙げましたが、真竹の生産量が全国トップクラスである大分県に限らず、竹林の管理に悩む地域は全国に存在します。お住まいの自治体でも同様の支援制度が用意されている可能性がありますので、一度役所の窓口などに相談してみることをおすすめします。
伐採された竹をめんまなどに加工して有効活用するように、私たちあふぎ屋もこれからも竹林問題に寄り添った活動を続けてまいります。私たちの取り組みに興味を持っていただけましたら、ぜひ今後の活動も温かく見守っていただけると幸いです。